職場の人間関係の悪化は社員のストレスや離職につながり、中小企業にとって重大な課題です。本レポートでは、最新データや専門家の見解からその原因を分析し、職場の人間関係を改善する具体策を検討します。国内外の企業の成功事例を紹介し、有用なツール活用法も解説します。最後にデータをグラフや表で可視化し、職場の人間関係改善がもたらす効果を分かりやすく示します。
職場の人間関係が良くない原因
職場で人間関係が悪化する背景には、働き方や価値観の変化によるコミュニケーション不足が指摘されています。近年の調査では約半数の社員が「5年前より職場の人間関係が希薄になった」と感じている状況です。主な原因として、次のような要因が挙げられます。
- 対面コミュニケーションの減少: コロナ禍以降テレワークが普及し、会議や日常連絡がオンライン中心になりました。その結果、偶発的な雑談や対面でのやりとりが減り、人間関係の構築が難しくなっています。オンライン上では意思疎通が表情や雰囲気から読み取りにくく、関係が希薄になりがちです。
- 業務外交流の機会減: 価値観の多様化で、勤務時間外に職場の同僚と飲み会や懇親会に参加しない人が増えました。かつては飲みニケーションとも言われた職場の飲み会が減少し、仕事以外での交流を通じた親睦の場が少なくなったことも関係性悪化の一因です。
- ハラスメントへの過敏反応: パワハラ・セクハラへの意識が高まる中、上司が部下に気軽に声をかけづらくなるなど、コミュニケーションを控える風潮も見られます。「下手に話しかけて誤解されるくらいなら何も言わないほうがよい」という心理から、ちょっとした雑談すら避けられ、人間的なつながりが生まれにくくなっています。
- 人員の流動化: 離職や異動が多い職場ではメンバーが頻繁に入れ替わり、関係構築に十分な時間が取れないことがあります。新しく来た人の名前や顔を覚える前に別の人が辞めてしまう、といった状況では人間関係が深まりにくいでしょう。
これらの要因により、社内の意思疎通が不足すると情報共有不足によるミスや業務非効率が増えたり、不信感や不満の蓄積で職場の雰囲気が悪化する懸念があります。実際、厚生労働省の調査(令和3年雇用動向調査)によれば、「職場の人間関係が好ましくなかった」ことを退職理由に挙げた人は男性で8.1%(第2位)、女性で9.6%(第3位)に上り、人間関係の悪さが離職を招いている実態がうかがえます。また、人材マネジメントの格言で「人は会社を辞めるのではなく上司を辞める」と言われるように、上司との関係が悪い職場では離職率が高まる傾向があります。米国のギャラップ社の調査でも「過去に上司から逃れるために退職した経験がある」社員は約5割に達しており、上司との人間関係の重要性が裏付けられています。逆に言えば、良好な人間関係は従業員エンゲージメント(仕事への熱意)を高め、離職防止につながることが各種データから示唆されています。たとえばSHRM(米国人事管理協会)の調査では、職場に親しい友人がいる社員の76%が「今の会社にとどまりたい」と感じていることが報告されており、同僚との友情や信頼関係が定着率に大きく寄与しています。
職場の人間関係を改善するために取り組むべきこと
職場の人間関係改善には、コミュニケーションの量と質を高め、信頼し合える風土を醸成する取り組みが有効です。中小企業でも実践しやすい具体策を以下に整理します。
- 定期的な1on1ミーティングの実施: 上司と部下が定期的にじっくり対話する場を設けます。週1回〜月1回程度の面談で業務進捗や悩みを共有し合うことで、相互理解が深まり問題の早期発見につながります。実際に定期面談を制度化した企業では、上司・部下間の信頼関係が強化され離職率改善に結び付いた例があります(後述の事例参照)。
- 部署や世代を超えた交流促進: 部門間の壁を取り払い、社員同士が横断的に交流できる仕組みを作ります。全社プロジェクトやクロスファンクショナルなチーム編成、他部署との合同研修などにより社内ネットワークを拡大できます。また、朝会・夕会や社内報で他部署の活動を共有するのも有効です。異なる立場の社員が交流することでお互いの理解が進み、チームワークが向上します。
- オープンなコミュニケーション風土: 社員が自由に意見やアイデアを言える心理的安全性の高い雰囲気を作ります。失敗を責めない文化や**「報・連・相(報告・連絡・相談)」をしやすい仕組み**が大切です。具体的には、経営層との定期対話会(タウンホールミーティング)を開き現場の声を聞いたり、匿名で提案を募る意見箱制度を設けたりするとよいでしょう。
- 感謝と称賛の文化づくり: 社員同士が日頃から感謝の言葉を掛け合う習慣を促します。例えば、サンクスカード(感謝カード)を配布して良い行いを称える、社内SNS上で「いいね!」やコメントで称賛し合う、表彰制度を設ける等です。お互いを認め合うポジティブな風土は人間関係の潤滑油となり、モチベーションアップにもつながります。
- 公平で納得感のある人事制度: 人間関係の悪化要因の一つに「評価への不満」があります。評価基準や昇進ルールを明確にし、透明性の高い人事制度を整えることも重要です。評価面談でフィードバックを丁寧に行い、社員が自分の成長を実感できるようにします。公正な評価は上司への信頼感を高め、組織に対する不信や嫉妬の芽を摘む効果があります。
- 相談窓口・研修の整備: ハラスメントや人間関係の悩みを気軽に相談できる社内ホットラインや産業カウンセラーの相談窓口を設置します。問題が深刻化する前に専門家に話せる環境は、社員の安心感につながります。また、管理職向けのマネジメント研修や全社員対象のコミュニケーション研修を実施し、良好な人間関係づくりに必要なスキル(傾聴力、フィードバック力、多様性理解など)を向上させます。
- ITツールの活用: 社内コミュニケーションを促進するチャットツールやSNS、エンゲージメントサーベイ(従業員意識調査)を活用します。たとえば社内SNSやグループチャット(SlackやTeamsなど)で部署を超えた情報共有や雑談をしやすくしたり、パルスサーベイ(後述するパルスアイ等)で人間関係に関する社員の声を定期的に収集・分析したりすることができます。データに基づき職場環境を改善するPDCAを回すことが、人間関係改善を継続するポイントです。
以上のように、コミュニケーションの機会創出・風土醸成・制度整備・ツール活用のバランスよく施策を講じることで、職場の人間関係は着実に改善できると考えられます。特に経営層や管理職が率先して取り組み、現場の声に耳を傾ける姿勢を示すことが成功のカギとなります。
職場の人間関係が良い企業とその取り組み(成功事例)
では、実際に社内の人間関係を良好に保ち、成果を上げている企業の具体例を紹介します。日本の事例に加え、海外企業の取り組みも見てみましょう。
サイバーエージェント(IT企業) – 定期「月イチ面談」で信頼醸成
インターネット広告やメディア事業を手掛ける株式会社サイバーエージェントでは、部署間で人事評価の納得度に差があり、評価制度への不満が組織課題となっていました。同社が講じた改善策は、**上司と部下の月1回の1on1面談(面談制度「月イチ面談」)**です。毎月1度、上司が部下の話にとことん耳を傾ける場を設け、「先月の成果の振り返り」「今月の目標・取り組み」「中長期のキャリア話」の3点を中心に対話しました。
この月イチ面談の導入後、上司・部下の双方から「安心して働けるようになった」という声が数多く上がりました。定期的な対話を通じて評価に対する認識合わせができ、「自分が何に注力すべきか」が明確になるなど、仕事の方向性について上司と部下の合意形成が進みました。その結果、職場の心理的安全性が向上し、離職率が大幅に改善されています。数年間にわたり様々な離職防止策を実施していた同社ですが、特に月イチ面談を取り入れてから退職者数が一気に減少したとのことです。上司と部下が日頃からコミュニケーションを取っていれば、調子が悪そうな部下に早めに気付きフォローできるため、退職という最悪の事態を防げるようになったことが成果に繋がりました。
大成美術印刷所(製造業) – 目標と評価の「見える化」で公正な風土
金融機関やメーカー向けの印刷業を営む株式会社大成美術印刷所では、業績悪化に対応する経営改革の一環で会社方針から個人目標まで連動した人事制度を整備しました。それまで社員から「評価基準が不明」「昇進・昇給が適切に行われていない」といった不満の声があったため、評価の納得感を高め組織を活性化する狙いです。
具体的には、人事評価制度と経営方針・日々の業務活動との関係を一枚の図で示し、全社員に周知しました。さらに、年度初めに全社の年間方針を示した上で部門目標を設定し、それに基づいて各グループ・個人の目標を策定するプロセスを導入しました。策定された目標や、期末の評価結果については社員全員が閲覧できるよう公開し、透明性を確保しました。
この取り組みにより、社員は同僚と自分の目標水準を比較して客観的に捉えられるようになりました。他人に自分の成績が見えることはプレッシャーにもなりますが、「昇格するにはこれくらいの目標が必要」といった基準が明確になり、評価への納得度が向上しました。また評価結果のオープン化によって、恣意的な昇進・評価が行われにくくなり、公平で風通しの良い組織文化の醸成につながりました。
鈴木ヘルスケアサービス(介護業) – 「1日体験異動」で視野と士気を向上
介護サービス事業を展開する鈴木ヘルスケアサービス株式会社では、職員の希望に応じた異動を行いたいものの、利用者との関係 continuity から定期的な配置転換が難しいという課題がありました。そこで同社は1日だけ他事業所で勤務体験をする「体験異動」制度を導入しました。
具体的には、普段勤務する事業所以外の施設で1日業務を行い、他拠点の仕事の進め方や雰囲気を学ぶ機会を定期的に設けました。これにより、自分の職場にはない視点・ノウハウに触れることができ、社員にとって刺激や新しい発見につながる社内研修プログラムとして機能しました。また、資格取得などでスキルアップを目指す社員には要望に応じた部署異動も実施し、キャリア希望をできる限り叶えるよう配慮しました。
施策の結果、各事業所の良い点や課題を社員同士が共有し合う文化が生まれ、個人だけでなく事業所間でもお互いに学び合って組織全体のレベルアップにつながりました。実際に体験異動を経て正式な異動をした社員もおり、適材適所の配置によって仕事への意欲向上や業務効率の改善が見られたとのことです。社員の視野が広がり、新たな人間関係ネットワークも築かれることで、組織全体に前向きな影響を与えた事例です。
Zappos(ザッポス, 米国) – 家族的な社風とコアバリュー経営
オンライン靴小売の米国企業Zapposは、そのユニークで強固な企業文化で知られています。Zapposでは**「社員を家族(ファミリー)のように扱う」**ことを重視しており、10項目のコアバリュー(企業理念)に「チームと家族精神を育む」「ユーモアと情熱を持って楽しく働く」など人間関係に関する価値観が明文化されています。例えば、新入社員研修後に会社に合わないと感じた人には辞退ボーナスを支払って早期退職してもらう制度があり、**カルチャーフィット(社風との適合)**を非常に重視しています。
社内では仮装パーティーやサプライズイベントなど遊び心ある交流施策が日常的に行われ、従業員が自分らしくいられる職場づくりに力を入れています。上司・部下の関係もフラットで、誰もが意見を言いやすい風通しの良さがあります。こうした家族のように一体感のあるチーム文化のおかげで、従業員は会社に強い愛着を持ち、高いエンゲージメント(愛社精神と熱意)を示しています。その結果、従業員の定着率が非常に高く、顧客対応にも熱心に取り組むため顧客満足度も突出して高いという好循環を生み出しています。Zapposは「社員満足なくして顧客満足なし」の理念を体現し、人間関係の良さが企業の業績にも直結することを示す代表的な成功例と言えるでしょう。
職場の人間関係改善に役立つツール
職場の人間関係を見える化し、継続的に改善していくには各種ツールの活用も有効です。最近はHRテクノロジーの発展により、中小企業でも導入しやすいクラウドサービスが増えています。ここでは**エンゲージメントサーベイ「パルスアイ(PULSE AI)」**を中心に、その他有用なツールを紹介します。
エンゲージメントサーベイ「パルスアイ(PULSE AI)」
パルスアイは、株式会社JumpStartPartnersが提供する組織改善ツールで、社員の離職防止やマネージャーの成長支援を目的とした**エンゲージメントサーベイ(従業員意識調査)**です。月に1回、全社員にごく短いアンケート(約4分で回答可能)を配信し、従業員の本音や職場環境に関するフィードバックを継続的に収集します。加えて四半期ごとには詳しいエンゲージメント調査、年1回は組織文化に関する調査も行い、AIによる総合分析で組織の健康度を「見える化」します。

パルスアイの特徴は、AIを用いた離職リスクの検知と多面的なフィードバックです。アンケート結果から「仕事内容満足度」「業務パフォーマンス評価」「職場の人間関係満足度」「健康状態」「報酬満足度」など様々な要素をスコア化し、社員一人ひとりについて退職予兆をスクリーニングします。過去のデータとの比較や他社平均とのベンチマークも可能で、リスクの高い社員がいれば管理者にアラートが通知されます。その精度は自社検証で83%の退職予兆検知率を達成しており、離職防止に寄与します。
また、パルスアイは現場マネージャー向けの支援機能も充実しています。管理職は毎月パルスアイから得られる**「コンディションマップ」(部下の健康・モチベーション状態の把握)や「コミュニケーションタイプ」**(部下の性格傾向)などのレポートをわずか10分程度チェックするだけで、部下への接し方のヒントが得られます。さらに、部下一人ひとりに対してAIが分析した「今月の一言アドバイス」や1on1ミーティングで話すべきトピックの提案が提示され、効果的な1on1面談やコーチングを支援します。これによりマネージャー経験の浅い層でも部下との関係構築がスムーズになり、結果的に組織全体のエンゲージメントが向上します。
パルスアイを導入した企業からは、「導入後1年間で退職者ゼロを達成」「運用2年で離職率が従来の3分の1に改善し、人件費コスト約1000万円相当を削減」といった報告もあります。匿名回答で社員が率直に意見できるため、従来は埋もれていたハラスメントの兆候や人間関係のもつれも早期に察知でき、適切な対策につなげられます。中小企業にとって、人事担当者が日々の業務の合間に組織課題を把握するのは容易ではありませんが、パルスアイのようなツールを使えば定量データに基づいてピンポイントで職場環境の改善策を講じることができます。
その他の有用なツールと活用方法
上記のパルスアイ以外にも、職場の人間関係改善に資するツールは多数あります。目的に応じて使い分けると良いでしょう。
- 社内SNS・コミュニケーション活性化ツール: 社員同士の交流を促すクラウドサービスとして「TUNAG(ツナグ)」などがあります。TUNAGは社内版SNSのようなもので、社員が日報を投稿したり、仕事で助けられた相手にサンクスポイントを贈ったりできます。スマホ対応で現場スタッフも参加しやすく、部署を超えた双方向コミュニケーションを自然に活発化することが可能です。こうした社内ポータル/SNSを導入することで、情報共有の効率化と「ちょっとした雑談」の機会増加による人間関係構築が期待できます。
- ピアボーナス・称賛ツール: 社員がお互いに賞賛や感謝を送り合える仕組みも関係改善に有効です。例えば「Unipos(ユニポス)」は同僚に対して感謝メッセージと少額のインセンティブポイント(ピアボーナス)を送れるサービスです。日々の仕事ぶりを称え合う文化を醸成し、部署間の壁を超えた信頼関係づくりに役立ちます。Unipos導入企業では「ありがとう」の声が増えたとの報告もあり、些細な賞賛の積み重ねが心理的安全性を高めます。
- 人材マッチング・適性診断ツール: 採用や配置の段階で人間関係のミスマッチを減らすことも重要です。「ミツカリ」のようなサービスでは、AIが応募者や社員の価値観を分析し、自社の組織風土との適合度を数値化してくれます。これを参考に採用選考やチーム編成を行えば、企業文化に合わない人材の入社や、反発し合う性格のメンバー同士の配置を避けられます。ミスマッチそのものを防ぐことで職場内の人間関係トラブルを未然に減らすアプローチです。
- その他の社内コミュニケーション支援ツール: リアルタイムのチャットやコラボレーションにはSlack、Microsoft Teamsなどが定番です。情報伝達が迅速になるだけでなく、スタンプや絵文字で気軽に反応できるため、カジュアルなやり取りが増えてチームの一体感が高まります。また、オンライン上で雑談ができるバーチャルオフィスツール(例えばoViceやRemotty)を使い、リモート勤務でも気軽なおしゃべりや相談ができる環境を整備する企業もあります。
ツール導入時には「使って終わり」にならないよう注意が必要です。ツール上で積極的にコミュニケーションを取るよう運用ルールや促進策を用意しましょう。例えば、TUNAGで毎週一人は必ず投稿する仕組みを作る、Uniposで月間称賛ランキングを発表して表彰する、パルスサーベイ結果を経営会議で必ず検討する、といった施策です。ツールはあくまで手段なので、経営者・管理職のコミットメントと運用の工夫によって、初めて人間関係改善の効果を最大限に引き出せます。
データの可視化
最後に、職場の人間関係に関するデータをグラフや表で示し、現状と効果を視覚的に整理します。
職場の人間関係に関する満足度や意識の推移
調査データによれば、職場の人間関係に不満を感じる人の割合は増加傾向にあります。「5年前と比べて職場の人間関係が希薄になった」と感じる社員が約45%いることから、近年コミュニケーション満足度が低下している企業が多いことが伺えます。一方で、良好な人間関係が築かれている職場ではエンゲージメントスコア(従業員の愛着度)が高く、生産性や定着率も向上する傾向があります。
下表は**退職理由に関するアンケート結果(日本の転職サイト調査より)**をまとめたものです。人間関係の悪さが他の要因と比べて上位に挙がっていることが分かります。
退職理由(本音ベース) | 回答率 |
---|---|
職場の人間関係が悪い | 35% |
給与が低い | 34% |
会社の将来性に不安を感じた | 28% |
仕事内容が合わない | 20% |
残業や休日出勤が多い | 19% |
出典:エン・ジャパン「本当の退職理由」調査(2022年)より抜粋
上記の通り、人間関係は給与と並んで離職を決意させる大きな要因です。裏を返せば、人間関係を良くすることが離職抑止に直結すると言えます。
成功企業の施策比較
次の表に、先述した成功事例企業の取り組みと成果を比較してまとめます。業種や企業規模は異なりますが、それぞれの施策が組織にもたらした効果に注目してください。
企業名(業種) | 主な取り組み内容 | 得られた効果・成果 |
---|---|---|
サイバーエージェント(IT) | 月1回の上司と部下の1on1面談を制度化。 | 上司・部下の信頼関係向上。「安心して働ける」職場風土醸成。離職率が大幅改善。 |
大成美術印刷所(製造) | 個人目標と会社方針を連動させ全社員に公開。評価結果も透明化。 | 評価への納得感が向上。公平で開放的な組織文化を実現。 |
鈴木ヘルスケアサービス(介護) | 1日だけ他拠点で働く「体験異動」制度を導入。 | 視野が広がり新たな学びを共有。モチベーション向上、業務効率改善に寄与。 |
Zappos(小売・米国) | 社員を家族のように扱う独自文化。コアバリューに沿った採用・交流。 | 強い一体感と社員エンゲージメントを実現。離職率が低く顧客満足度も向上。 |
各社とも、自社の課題に合わせた創意工夫ある施策で人間関係を改善し、社員のモチベーションアップや業績向上といった成果を上げています。中小企業でも自社の実情に合った取り組みを選択・応用することで、同様の効果が期待できるでしょう。
以上、本調査レポートでは職場の人間関係を取り巻く現状と改善策について、日本および海外の知見を踏まえて考察しました。人間関係の質は企業にとって「見えにくい」部分ではありますが、社員の幸福度や会社の成長に直結する重要要素です。最新のデータや事例が示すように、良好な職場の人間関係づくりは離職防止だけでなく生産性向上やイノベーション創出にもつながる投資と言えます。経営陣がリーダーシップを発揮し、適切な制度・風土づくりとテクノロジー活用を組み合わせて、従業員同士が信頼し合い協力できる職場環境を築いていきましょう。
