KPI(重要業績評価指標)とは
KPI(Key Performance Indicator)を掲げ、業績管理に活用している会社や組織は多いと思います。私は、基本的には「KPIは有効なマネジメントツール」だと考えていまして、適切なKPIマネジメントは事業業績の向上に寄与すると信じています。
KPIの定義をここで一つ紹介します。
KPIは、企業が主要なビジネス目標をどれだけ効果的に達成しているかを示す測定可能な指標です。組織は複数のレベルでKPIを使用して、目標の達成度合いを評価します。
https://www.klipfolio.com/resources/articles/what-is-a-key-performance-indicator
組織全体として正しいKPIを設定し、組織(チーム)に適切に共有・浸透させることで、追うべき目標が絞り込まれるため、企業としては、よりよい成果を生み出しやすくなります。
KPIマネジメントの罠
ただ最近、行き過ぎたKPIマネジメントの罠に陥っている会社を見かけたので、これは気をつけないと危険だなと感じました。
その会社は、社会人向けの学習サービスを提供する事業を運営しており、私も興味があったので体験会に参加しました。
体験会では、サービスの概要説明の後、カウンセリングと称して、営業担当者から申し込み意向や質問がないかを聞かれる個別セッションに移りました。
問題はここで、営業担当者が、おそらく当日申込率(体験会当日における本申込率)というKPIを持たされていて、私の質問や懸念をよそに、強引にクロージングしてこようとするのです。まだ申し込みするかどうか決めてないといっても「一旦日にちを決めてしまいましょう」、「今日クレジットカード決済すると1万円引きです」、「申し込み後キャンセルできるので心配しなくていいです」などなど。。。
私の質問には真正面から回答してくれないので、こちらも気が悪くなってしまいました。
KPIを有効に機能させるために
KPIは、その名の通り重要業績評価指標というツールです。KPIだけ導入し、人事考課(評価や報酬)と連動させるだけで、うまくいくという単純なものではありません。
この会社の場合、営業担当者は「お客様の問題や悩みを解決する」や「お客様が達成したい目標(ゴール)のお手伝いをする」といった理念の浸透、また、営業担当者としてのスキルや姿勢といったポイントをないがしろにしていたように思います。あるあるですが、KPIだけ使って、部下を詰めたりすると、こういう本末転倒な結果を招いてしまうことがありますね。
正しいKPIを設定することは、KPIマネジメントを機能させるための第一歩であることは間違いないですが、KPIマネジメントを機能させるためには組織にインストールしなければいけないので、経営者は定性面(定量化できない品質)にも留意していく必要があるでしょう。
正しいKPIを設定するためには、KGIとの関連性が重要
適切なKPIとなるための要件をまとめるとこのような感じです。下の図をご覧ください。
- KPIの達成が、KGI(Key Goal Indicator)の向上につながる
- KGIは、通常、売上や利益といった財務指標です。
- KPIは、戦略と結びついている。そして、サブKPIは、施策(行動)と結びついている。
- よって、KPIは部レベルの目標、サブKPIはグループ(課)レベルの目標になることが多いです。
- KPIは、タイムリーに、かつ、正確に測定できる。
- KPIの数は、3〜5個程度と絞り込まれている。
適切なKPIマネジメントができれば、一気に事業がドライブするはずなので、KPIマネジメントの罠にハマらないように、やっていきましょう!