eNPSとは?
eNPSという指標をご存知でしょうか?
eNPSとは「Employee Net Promoter Score(エンプロイー・ネット・プロモーター・スコア)」の略称で、従業員の「職場の推奨度」を数値化したものであり、従業員の会社へのロイヤルティ(愛着度)を把握することができる指標です。
NPS自体は、顧客に対して「自社の商品やサービスを知人や友人に紹介する可能性」を質問し、スコア化するもので、いわゆるクチコミ力を指標化したものといえます。元々は、ベイン&カンパニーというコンサルティング会社が開発したもので、欧米で流行って、今では日本でも色々な会社がNPS測定を行っています。
eNPSは、NPSの従業員版ということで、自社の従業員に対して「あなたは、現在の職場を親しい友人や知人にどの程度お勧めしたいと思いますか?」を0から10の11段階で質問します。
10もしくは9を回答した人を「推奨者」とし、8もしくは7を回答した人を「中立者」、6から0を回答した人を「批判者」と分類し、
eNPS = (全体における推奨者の割合ー批判者の割合)×100
で計算します。
↓こちらが、ある会社の例です。この場合、eNPSは、-53.9 (=(12.8%-66.7%)*100)となります。
一般に、eNPSが、プラスになることはあまりありません。従業員のロイヤリティが非常に高い会社の場合、eNPSが10〜20をつけることはありますがレアでして、多くの会社の場合はマイナスになることが多いです。(マイナスだから、ダメということではありません)
eNPSが上がると、何がいいのか?
eNPSが高い従業員ほど、実際にその会社で働くことを周囲に推奨するなど採用面で貢献します。特に、会社側が積極的に依頼しなくても、自然とリファラル採用に繋がったり、採用面接の際に、候補者に対して非常にポジティブなメッセージを発するので、採用力が上がるという効果が期待できます。
また、eNPSが高い従業員は、離職率が低いだけでなく、生産性が高くなる傾向にあります。これは、eNPSが高いと自社で働くことをポジティブに考える従業員の割合が高いことを示すので、離職率は低くなりますし、前向きに(意欲的に)仕事ができる状況にある従業員が多いことから、結果として、(そうでない会社と比べて)生産性が高いということになります。
eNPSは会社の競争力を測るための1つの指標と捉えることができるため、昨今では従業員エンゲージメント調査において利用されることが増えています。